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日常生活の注意点

関節リウマチ治療において、薬を使用する以外にも大切なことがあります。
日常生活の中で、ご自身でできるケアがたくさんありますので、ご紹介します。

禁煙

喫煙することによって肺癌や咽頭癌などの悪性腫瘍や、動脈硬化による心筋梗塞・脳卒中などのリスクが増加することはよく知られていますが、実は関節リウマチも同様です。

  • 喫煙によって関節リウマチの発症率が増加する
  • 喫煙によって抗CCP抗体の数値が上昇する
  • 喫煙によって、治療薬の効果が減弱し、関節炎の進行がはやまる

様々な報告があります。
また、リウマチの患者さんは、気管支拡張症や細気管支炎、間質性肺炎を合併することもあり、喫煙に伴う肺気腫と、リウマチに伴う気道病変が混在すると、息切れが出現したり、気道感染症(肺炎・COVID-19感染症)などの発症や重症化のリスクを高めることにもなります。喫煙しながらリウマチ治療をうけるということは、例えるならば、毎日ケーキを食べながらダイエットをするようなものです。治療を受けられる方は禁煙に努めましょう。

口腔ケア・歯周病予防

歯周病の原因の1つである「ポルフィロモナス菌」が、抗CCP抗体の生成にかかわっていることがわかっています。つまり、歯周病が関節リウマチ発症のきっかけになっている可能性が考えられます。実際に、歯周病の患者さんは、健常者に比べて関節リウマチと診断され治療を開始するリスクが高かったという報告があります。
また、関節リウマチの患者さんは、歯周炎や歯の喪失がより顕著にみられることも報告されており、関節リウマチと歯周病との間に相関関係がある可能性が指摘されています。今後のさらなる研究により、歯周病の予防・治療をすることで、関節リウマチ発症を予防したり、関節炎症状を改善することが期待されています。
関節リウマチ治療中は、きちんと歯を磨き、定期的な歯科検診を受けるなど口腔ケアに努めることが重要と考えます。

肥満の防止

喫煙や歯周病がリウマチ発症に関与するという話は先に述べましたが、それ以外に肥満もリウマチの危険因子であるというデータも出ております。関節リウマチを患っている肥満体型の人は、より健康的な体重を維持している人に比べて身体機能に障害を持つようになる可能性が高いことも分かっています。
当然体重が重ければ、股関節や膝関節・足関節にかかる負荷も増大し、足の関節炎の悪化は、歩行距離や運動習慣を減らしてさらに体重が増加してしまうという悪循環に陥る可能性もあります。
適正体重の維持に努めるようにしましょう。

リハビリテーション

リハビリテーションは、筋力の維持と向上と、関節骨破壊による変形してしまった関節の可動域を広げることで、より良い日常生活を送れるようにすることを目的としています。今まではリウマチで壊れてしまった関節の運動性を改善することを目的に行われていましたが、発症早期から介入することで、関節の破壊を予防する効果も期待されています。
リハビリを始める前には、痛みや腫れといった関節の状態を主治医や理学療法士などの専門家と確認することが好ましいです。

 関節保護

関節の腫れや疼痛が強いときは、関節の保護・安静を保つことが大切です。
以前、関節リウマチで手関節炎がよくならない患者様がいて、よくよくお話を聞くと、毎日スポーツジムに通ってベンチプレスをしていたということがありました。炎症が起きている関節を酷使すると、かえって関節リウマチが悪くなってしまいます。関節の腫れや疼痛が強いときは、関節の保護・安静を保つことが大切です。
また安静による保護以外にも、手足のサポーターや手指のスプリント、インソールなどの装具の着用や、関節の負担を軽減するための自助具の使用も、関節の保護や関節変形を予防するためには有効です。

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